グループ分けされた消費者「セグメント」と、販売対象となる消費者「ターゲット」
広告やマーケティングの世界で、よく目にする言葉に「セグメント」 と「ターゲット」があります。今回は、この2つについてお話させて頂きます。
まず言葉の意味としては、セグメント(英:segment)は、断片、部分、切れ目、分割(されたもの)などの意味です。ターゲット(英:target)は、ご存知の通り、ゲームなどでも出て来ますが、標的を表します。
では、これらが広告やマーケティングで使われる場合を見てみましょう。まず、ビジネスの舞台であるマーケットを形作っている根っこに「消費者」がいます。そして、消費者は、様々な行動や特性から、いくつものグループとして分けることができ、これら分けられたものを「セグメント」と呼びます。また、消費者を、性別、年齢、職業、居住地など、浮かび上がらせたい特定の条件によってグループ分けすることを「セグメント化」・「セグメンテーション」(する)とも言います。
こうして分けられた消費者グループは、特定の商品群の、仕様の異なるバージョンを他のグループに展開する場合などに使われます。
例えば、カメラメーカーで、それまでプロユーザー(というセグメント)向けに販売していた、ロットの小さい本格仕様の“高級モデル”、“上位機種”を、学生や一般サラリーマン(というセグメント)でも充分に手の届く“廉価版”として、大ロットで販売する場合などです。
次に、セグメントとともに、いや、むしろそれ以上によく目にするのが「ターゲット」、つまり販売対象ですね。実際にその商品やサービスの販売対象として想定される消費者のことを言います。また販売対象と位置づけることを「ターゲッティング」などと言います。また、セグメントそのものもターゲットとする場合もあります。
ちなみに上で述べたことは、広告やインターネット・マーケティングの世界では、さらに奥が深まり、幅も広がります。性別、年齢、職業、エリアといった基本的な特性のほかに、趣味・好みやショッピングの傾向、サイトのカテゴリーや訪問者、さらには使用される端末などのデータベースに基づいたセグメントも可能となるためです。
CM、新聞、雑誌など露出する媒体を選ぶこと自体がセグメントとなっていた既存のマスメディアに対して、インターネットの世界では、さらに詳細なセグメントにより、ターゲットを絞り込み、広告と消費者の合性を近づけ、広告の費用対効果(コストパフォーマンス)を高めることができるのです。
例えば、成人女性向けに販売したい貴社の商品・サービスを、学生や男性向けに売り込んでも全く意味がないということですね。どんな企業・組織でも、プロモーションのための宣伝・広告予算は、限られています。その限られた予算内で、より効率良くより高い効果を得るために、セグメントとターゲットの、しっかりとしたマーケティングが重要になります。